AI時代に必要な教育とはどんなものか
昨日、タイでも著名な教育家であるWichian Chaiyabang氏とお食事の機会をいただきました。わたしは英語の通訳として参加。韓国ネイティブ(NR Group代表Noh Jesu氏)の話す日本語と、タイ人の話す英語の橋渡し役でしたが、拙い会話の中に深い情熱が響き合う、最高の時間となりました。会食時の写真がないのが残念!
Chaiyabang氏の学校、Lamplaimat Pattana Schoolより
Chaiyabang氏はタイの教育界で知らない人はいないほどの教育革命家。タイ国内の教育格差や公立教育の質の改善のため、15年という歳月をかけてオリジナルのメソッドを開発・実践しており、現在タイで300校の学校を持つまでとなっているそうです。
True wisdom、真の知恵を誰もが持てる教育を目指す彼なので、本質的な内容であればあるほど会話も盛り上がります。そんな彼の教育法で、大切にしている3本の柱を教えていただきました。
⑴宇宙のすべてとつながった自分として内面の成長を促す。
⑵実践を通して問題解決能力とチームプレー能力を養う。
⑶教師間のエネルギーレベルでの交流とwisdom(知恵)の共有を行う。
あまり細かいお話を聞けたわけではないですが、「個」ではなく「すべてはひとつ」という世界の根源から始まる教育、という印象でした。しかもこれが国も公認する教育というのが驚きであり、同時に、彼の地道な活動の賜物なのだと感銘を受けました。
「家族一人につきTV一台」に象徴されるような究極に分離した世界から、IoTですべてがコネクトするこれからの時代。西洋の二分法思考の台頭によって「時代遅れ」となった東洋の悟りが旧い服を脱ぎ去り、息を吹き返すタイミングであるように思います。
そして会食についても、ひとつ。
悟りの概念が共通土台となっているコミュニケーションというのは圧倒的で、そんな場においては表層的な知識や笑いは一切不要であるということを目の当たりにしました。
「AIが可能にする悟りの境地」「人間のディープラーニング」「現実を脳が映し出す立体スクリーンとして認識すること」「世界の根源」「人間の尊厳」etc.
こういったキーワードが出てくる度に、目を輝かかせ、大きくうなずき、「それなんだよ!」と指を鳴らす。国を越え、人種を越え、言葉すら越えた意志と意志の出会い、ビジョンでつながる同盟とはこういうものかと、心が喜ぶようでした。
AIが暗記や知識、情報処理を担う中で、人間一人ひとりは自分の可能性を花開かせることに注力できるステージに人類は突入しています。そこでは軍事同盟や経済同盟ではなく、教育同盟を組める国、組織、集団が生産力・収益力を極大化し、世界を牽引するリーダーシップを発揮するんでしょう。
そこで改めて、日本でわたしたちに馴染みのある詰め込み教育だけでなく、世界にある色んな教育法に目を向けてみたいと思います。数ヶ月前にブックマークしていた記事を引っ張り出してきました⬇️
モンテッソーリ、シュタイナー、サドベリーetc.、オルタナティブとは言え、こういった多種多様な教育が世界に広がっていきました。その教育体系のひとつひとつに、「人間の無限の可能性」にかける開発者の意志が宿っているのだと思います。
認識技術という技術を活用した教育も、1996年に産声をあげ、21年かけたプロジェクトの節目を今、迎えようとしています。5月31日の今日は大晦日、6月1日の明日はお正月のようなものです。
この節目を新たなスタートラインに据えて、さらなる世界展開を目指します。