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Recreate the Universe, Redefine the World

あたらしいせかいのつくりかた。

ルトガー・ブレグマンの「隷属なき道」

 
先日、オランダの歴史学者ルトガー・ブレグマン氏の来日講演@慶応に参加してきました。タイトルは「隷属なき道ーAIとの競争に勝つ:ベーシックインカムと1日3時間労働」。
 
「AI」「ベーシックインカム」というホットなワードたちに惹かれて、ほいほいと参加した講演会。そこまで期待のないままで参加したんですが、わたしが開発・発信に関わっている新教育が目指すビジョンときれいにつながって、感動的なまでにおもしろかったのです!
 

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Universal Basic Income(UBI:すべての国民に最低限の生活に必要なだけの現金を支給する制度)の導入という、一見クレイジーともとられそうな仕組みを提唱するブレグマン氏。
 
Basic income(income=収入)の提案自体は1960年代後半からすでにあり、目新しいものではありません。しかし、自律型ロボットの開発が進み、人間の雇用の危機が予測される昨今、彼の主張は最近大きな注目を集めています。
 
詳しい話は以下の記事をご参照ください♡
 
このポストでは、慶応での講演会の内容と彼のTEDでのトークも交えながら、わたしが感動したポイントをまとめておきたいと思います。
 
【TED Talks】
Why We Should Give Everyone a Basic Income(英語)
 
1)"Utopias have a tendency to come true." 
彼の歴史観は、「過去人類が描いてきたユートピアは実現している。今ここがそれである」というユニークなものです。
 
メディアが見せる暗いニュースは「世界はどんどん破滅に向かっている」「人間は強欲で愚かな生き物である」というような錯覚を起こさせるもの。
 
しかし実際には、人間はよりよい暮らし、安全や健康、生き方の自由を手に入れてきたし、人間は必ずしも自滅的な選択をするものではない。そのことを、さまざまな統計や実験結果と一緒に示していました。
 

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こちらは講演会での一コマ。
 
What we need:
-A new image of human nature
-A new vision of Utopia for the 21st century
 
2点目にはうなりました。「新しいユートピアのモデルを誰ひとり提案できていないこと」に問題がある、と。確かに、旧体制の幸せや成功モデルが成り立たない今の世界で、「この方向が人類の進むべき道だ」と明確に示している国や人というのはそういないのでは、と思います。
 
人間が持つ特定の能力をAIが遥かに超えていく時代に、わたしたちはなにを幸せとし、なにを社会のあるべき姿とするのか。
 
こういった本質的な問いを、年齢や役割に関わらず誰もが話し合う。それは今後避けて通れない、というよりも、それが出来なければ淘汰される時代が来ている、とも言えるのではないでしょうか。
 
 
2)On the Waste of Human Potential & the Phenomenon of Bullshit Jobs.
もうひとつ面白いポイントが、UBIの導入による、人間一人ひとりの可能性が活かされる社会のイメージでした。
 
統計的に見ても、自分の仕事を「取るに足らない仕事」だと形容する現代人は非常に多いそうです(弁護士や会計士などのホワイトカラーであっても)。
 
その「the phenomenon of bullshit jobs」(会場爆笑)が示唆するのは、仕事を通してやりがいを感じられない人を量産する資本主義の現状。
 

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「食べていくための仕事」をするために、人はBS job(Bullshitな仕事)で長時間労働を続け、疲れきって思考停止、ソファでぼんやりTVを見る。一人ひとりの中にある可能性は花開くことなく。これこそ、waste of human potential。
 
しかしUBIを導入するような時代がやってきたとき、「仕事とはなにか」「人間とはなにか」「しあわせとはなにか」、そんな問いを人は持つようになる。そして、自分が食べるためではなく、自分の持つポテンシャルを思う存分開花させ、自分という枠を越えて人や社会の役に立とうとするようになる。
 
人間の存在意義を問う質問と、そこに答える教育が必要だと語るブレグマン氏。「認識技術」をベースにした人間の認識の教育がその解決策になるんだ!とわたしはひとり大興奮でした♡
 
「Happiness is not the meaning of life. Sense of purpose, feeling of meaningが重要。」だからこそ、「人はjob marketのために準備するのではなく、lifeのために準備するべきだ。
 
この世界に、こんな考え方をする29歳がいること、とてもワクワクします。
いつか一緒にプロジェクトができたらいいなぁ。
 
とても意義深い時間でした。
新しい世界、良質な情報との出会いは本当に宝。
 
本は5月25日に発売です。興味がある方はぜひ。
わたしも買おうっと!