Recreate the Universe, Redefine the World

マインドフルネスのその先へ。日本から始まる、あたらしいせかいのつくりかた。

背景を読む

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日本語を英語に訳すのがメインのお仕事が続いている。
そこで今日ふと思ったこと。

翻訳は単語単語を直訳するものではない。


ワード(単語)とワードがつながってセンテンス(文章)になり、センテンスがつながってパラグラフ(段落)になり、パラグラフがつながって、ようやく書き手の伝えたいことがひとつの作品として完成する。点から線へ、線から面、球、立体へ。

その連なりの間、背景には、言葉にならないイメージやエモーション、さらにはビジョンまでが含まれている。その言葉になっていないものと、どれだけひとつになれるのか。私はまったくの素人だけど、それが翻訳技術の中でも最も大切だと思っている。

単語と向き合う以上に、書き手の宇宙とひとつになる時間を取る。
仕事の仕上がりを決める、書く以前のセッティング。
書き始める前に心で出会う。

そんなことをしていてふと、普段のコミュニケーションにおいてはどうなんだろうと、自分の姿勢を振り返る。相手の単語だけを聞いていないか。どれだけの時間をかけて、思いを込めて、相手と向き合っているのか。

言葉一つ一つが音楽であり、歴史だ。


耳は聞こえていても人の心までは聴けず、目は見えていても心までは観ることはできない、そんな時代。知識技術だけではなく感性も磨いていこう。