Recreate the Universe, Redefine the World

マインドフルネスのその先へ。日本から始まる、あたらしいせかいのつくりかた。

錯覚のアート①

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存在しているから認識するのか、認識するから存在するのか?

 

「私にとって絵は、現実を引き裂く劇的な行動を起こすことだ。ドラマには孤独が必要。それは夜、沈黙の中、無意識のすぐ近くで起こる。」パブロ・ピカソ

 

 西洋絵画の歴史って面白いですね。

 

洞窟の落書きみたいな絵から始まり、宗教を通して絵画の世界が徐々に確立され、人間復興、科学的追究が始まる14世紀のルネサンスを経て、宗教画から権力者・富裕層、農民、目に見えない世界まで、人はありとあらゆるものをモチーフにしてきました。

 

絵の時代背景や解釈だけでも面白いんですが、その中で見えてくるパターンがまた面白い。

 

これはどんな分野の歴史にも共通して言えることですが、なにかが流行れば、その反動となるうねりが必ず生まれます。バロックにはロココが、ロココには新古典主義が、写実主義には印象派が、と言ったように、常に対称性を成す変化が織物のように重なって、歴史を創っていく。

 

でもこれらの変化って、みんな同じ次元の中の変化なんですよね。絵という媒体は変わらず、技法を変え、色調を変え、テーマを変え、哲学を変え。

 

絵画の世界は、技術的には早熟で、ルネサンス時代にも見られたように、早い段階で完成していました。もう技術を進化させられないほどの段階になると、あとは何をどう描くかを模索する、アイディア勝負の時代が始まります。

 

そんなアート界に革新的な衝撃をもたらし、モダンアートという新時代を築いたのが、20世紀の二大巨匠、パブロ・ピカソアンリ・マティス(前回のブログの写真もマティスの作品)でした。

 

モノに溢れた産業社会、科学技術、モノ商品の時代が限界を迎え、IT革命が起こり、コンテンツの面白さや情報発信能力で力が測られる現代。これは今書いていて思いついたことですが、ピカソマティスと彼らの先輩たちが、このIT革命を起こした人たちに重なる気がします。

 

彼らの起こした変革がどんなものであったのか、そしてそこからどんな流れが生まれ、どんな限界に出会ったのか。そのことはまた次回!

 

写真は前回に引き続き、NYのMOMAにて。誰の絵だっけ?笑

 

写真の加工によっては、これも絵みたいでしょ?実際、人間の認識する宇宙は超リアルな絵みたいなもので、人間の脳が生み出す最高の錯覚アートなんですが、そのことについてはこれからぼちぼちお話できたらと思います♪